vα-liv「THE LAST STATEMENT!!!」所感(と、vα-livそのものへの雑感) #ヴイアラLIVE_TLS

PROJECT IM@S vα-liv LIVE -THE LAST STATEMENT!!!-

3月31日に配信で開催された、アイドル候補生のバーチャルライバー3人によるプロジェクト「vα-liv」のひとつの区切りとなる、「アイドルデビュー権をかけたLIVE」。

前置き

私はそこまでvα-livの番組を見られているわけではなかった。最近の自分の状況からすると、「長い番組を頻繁に見る」のは厳しいものもあったので。
ただ、「歌ってみた」や公式切り抜きなどの短めの動画を見たり、気になる番組があれば部分部分を見たり、あとTwitter (X) の投稿を見たりはしていた。プロジェクトの進め方自体に注目していた*1のもあったと思う。

それらを見ていて、この3人にはもう一つ先のステップに進んでほしいと思ったこと、そして今の3人のパフォーマンスを見届けたいと思ったことから、投票もしたし、LIVEも見ることにしたのであった。

LIVEについて

余談

  • 「アイドルデビュー権をかけたLIVE」ということで、開幕前のコメントでも緊張感が出ていたが、そのことについてコメントで「W.I.N.G.決勝みたいな空気」(※シャニマスで活動の大詰めとなるオーディション)って書いている人がいて、確かに…ってなった。

構成・演出

アイドルとしてのパフォーマンスに、3人にそれぞれ得意不得意があるというのは把握していたし、過去の配信での曲披露でも今回のLIVEでもそれはやはりあるのかな、というのは感じていた。
ただ今回のLIVEは「DANCE PART」「VISUAL PART」「VOCAL PART」の部門を設け、(少なくとも)その部門において存分に力を発揮できるよう選曲と準備をしてきたのかな、というのは感じられた。

会場については、3人が立つのに合うサイズの会場というのが明確に示されており(実際、LIVE5日前に、当日使う会場の中から配信するというのもあった)、また会場自体で派手な演出ができるというわけでもなかった。
とはいえ、バーチャルライバーだからこそできる?カメラワークの自由度は楽しかった。かなりぐるんぐるん動くシーンも多かった。

選曲

過去の配信では、アイマスに限らず様々な作品の曲を歌う例があったので、今回はどうなるだろうと思ったらアイマスの曲のみだった*2。しかし選曲が上手かったなあと。
コメントで「実質MOIW」って見えて膝を打った。アイマスの曲がブランドの枠を問わず様々なところから選ばれていて。SideMの曲も1曲だけだけどあったし(後述)。

  • 開幕
    • "HELLO!!"(全員):3人が最初に歌を公開した曲であったこともあるのだろうが、最初に持ってくるのは好選曲だったなと。新たに始めよう、という内容な曲なこともあって
  • 第1ブロック(DANCE PART)
    • Hotel Moonside(上水流宇宙):このイントロ、シンデレラガールズでもともとあった特殊イントロ…!?って思ったら本当に特殊イントロも含めてダンスを披露していた…
    • Emergence Vibe(レトラ):セクシーさも交えたダンス・歌唱を見せつつ、声質が親和性も高いのかなと感じた
    • We're the one(灯里愛夏):これはSideMのC.FIRSTの曲なのだが、まさかの原曲キーでの歌唱。男性相当の低音で歌い切ってしまうという…。ダンスも男性曲らしい力強さのある動きを見せていた
    • OH MY GOD(灯里愛夏・レトラ):シャニマスにおけるダンスの印象的な1曲で、曲のテンポこそそこまで速くないけどかなり体も使うダンスが求められるわけだがキメてきた
  • 第2ブロック(VISUAL PART)
    • 純情Midnight伝説(レトラ):これはエンターテイナーだなーと感じた。楽しませるというのが伝わってた
    • 太陽キッス(灯里愛夏):台詞パートがよく表現されてるなと感じた。愛夏さんは表現力を評価されていた向きがあったが、ここでも活かされたなと
      • 間奏で「(小宮)果穂ちゃん先輩、私に出会ってくれてありがとうございます!」「必ずあなたの隣に立ちます!」と言う(※TOKYO GAME SHOW 2023の中の番組で一緒になっていた
    • シャイノグラフィ(上水流宇宙):まさかの、自身で描いた絵をタイプラプスで背景のディスプレイに表示するという演出。これまでも絵をたびたび公開していて純粋に上手いのだが、LIVEでそれを見せてきたとは…!
    • 電波感傷(灯里愛夏・上水流宇宙):フォーメーションをしっかり見せるのが意識されていたのかなと感じた。2人が一緒に動くというだけでなく入れ替わりで動いたりも多く
  • 第3ブロック(VOCAL PART)
    • 餞の鳥(上水流宇宙・レトラ):原曲が、歌が上手くて強すぎる2人と言われているが、今回の2人がとてもよく声が出ていたなと
    • SING MY SONG(レトラ):今回で一番、というかここ最近のアイマスのLIVEとしても一番、歌唱に泣いたかもしれない…
      • 歌い出しの前に、「孤独を感じたとき、そばにいてくれた歌がいたから、今の私がいる」「歌は居場所!届け、私の歌!」と自身の歌に対する思いを述べていたのだが、そこからの歌が本当に歌詞に対してそれだけの気持ちが入っていたように思った…
    • 眠り姫(上水流宇宙):コメントで把握したのだが、この曲は宇宙さんが一度歌っており、リベンジになっていたとのこと*3高い声を使いまくっていて、感激するとともに「歌い切れるのか…?」と見守るような気持ちでも見ていた。歌い終えたときは本当拍手ものだった…(※ネカフェで配信で見てたので実際の拍手はしてません)
    • always(灯里愛夏):情感の入った歌い方がよくなされていたのが本当よかった…
      • あと、この曲を選んでくれて、そういう歌い方をしてくれたことについて言いたいことが多すぎます。ありがとうございました。詳細は脚注に(めちゃくちゃ長いです)*4
  • 投票終了前の最後の曲
    • リローディング(全員):この3人のことを踏まえて作られた曲ということもあってか、3人の感情が思いっきり入ったパフォーマンスだと感じられた
  • 最後の曲
    • GR@TITUDE(全員):意外なところ(スターリットシーズン)から曲が来た!?と思ったのだが好選曲。曲の内容が「この先があるはず」と感じられる、「先があるかは決まってないがそのために力を尽くしている」という3人にぴったりで。歌唱も明るさがあって、心にくるものがあった…

結果発表

  • 配信チケット発売5,000枚超、個人単位での得票数(事前の投票数*5に配信チケット販売数を加算)は3人とも30,000票超)。アイドルデビュー権の獲得ボーダー(5,000)を大きく突破。
  • でアナウンスされたのが、まさかの、3人が876プロダクション*6からデビューするということ。それまでの876プロダクションのアイドルとの繋がりがどうなるかは明確にされなかったが… 何という展開だろう…
    • 今年3月になって詳細が発表され始めた「学園アイドルマスター」で、学園のロゴ876プロダクションのロゴを踏まえたものになっているのではと言われていたという事情もあったので、なおのこと「こういう展開が始まるのか…」と驚いたのもあった
    • そして、今後876プロで活動するとなって、それまで所属していたアイドル(=ライバーではない既存のアイマスの形式で立ち上げられたアイドル)との交流がどう発生するのか、というのも気になるところ。
    • またこれまでは「アイドルデビューを目指す」という緊張感のもとで進んできたという経緯があるが、これがデビューが決まってどのように更に進んだ展開を見せられるか、というのも注目だろうか。

トーク

開幕後

  • 宇宙が「二人とも緊張してますか?」と言ったのに対し、「おなかすいた」と言う愛夏
  • Twitterハッシュタグがトレンド4位に入っていることを、コメントで知り驚く愛夏(日本トレンドでの4位だった模様)
  • レトラ「私は今日カフェインキメてきました」愛夏「お弁当いっぱい食べた」レトラ「野菜スティックをモリモリ食べてた」愛夏「愛夏はチョコを食べてた」

第1ブロック(DANCE PART)後

  • Hotel Moonside」について、宇宙はこれまでの歌唱の機会でもたびたびTaku Inoueさんの制作曲を歌っており、その中で歌ってなかった曲ということもあって選んだ
  • 「Emergence Vibe」について、レトラ「日頃、おっぱい担当とか言っときながら」「センシティブな歌となると、本当に私が歌うんですか、大丈夫かな~みたいな感じになる」
  • 「We're the one」を歌ったことについて、愛夏「以前に(SideMの)Café Paradeさんの『Pavé Étoiles』(を歌ったこと)がきっかけで、皆さんが『まな王子』*7っていう呼び名を付けてくれて」「私って、かっこいいもできるんだって自信が付いたから、今回もかっこいい曲やりたいなって」
  • 「OH MY GOD」を歌ったことについて、レトラ「(緋田)美琴さんのストイックなところに憧れてて」「異次元フェスで美琴さんがこの曲を歌ってて、(それを一緒に見てた愛夏と)2人で目が合ったんだよ」「これ超やりたいよねーって言って
    • なお、レトラはこの曲の練習で、脚を広げる振りが原因で毎度筋肉痛になってたとのこと

第2ブロック(VISUAL PART)後

  • 愛夏がレトラをわしゃわしゃしようとし、レトラが「だめだめ、髪のセットが崩れるからね」と冷静に返す
  • 「太陽キッス」を歌ったことについて、愛夏「TGSで果穂ちゃん先輩と会って、そのときに頂いた言葉が本当に私にとっては大切な核になってて」「あれがなかったら愛夏は変われてなかったと思う」
  • 「シャイノグラフィ」を歌ったことについて、宇宙「後ろの動画を自作しました!」「私にとってのシャイノグラフィ(輝いた記録)は、やっぱり、2人と一緒に過ごした日々だなって」
  • 「電波感傷」は、愛夏・宇宙の2人で歌う曲として披露する曲を考えたら即決した。「踊りたいよね」ってなった
    • 愛夏「ダンスって言っても、私たち得意なダンスが本当に真逆だから、教え合いながら」宇宙「愛夏はバレエの(ような動きを教えてもらって)」愛夏「(宇宙の動きの)キレキレなのはこうやるのねって」
  • 次のブロックに進むにあたって、宇宙が視聴者に「疲れてないですよね!?」と言うのだが、それを受けて愛夏が「疲れてんじゃねーぞ!」と視聴者を足蹴にする動きをする
    • 宇宙「そんなアイドル候補生嫌だ!」→愛夏「最近プロデューサーさんが変態化してて、もっといじめてほしいとか罵ってほしいとか言うんだよ」

第3ブロック(VOCAL PART)後

  • 「always」を歌い終えた愛夏が、泣きそうな感じで「一瞬(舞台袖に)行ってきていい?」と言う
    • そして愛夏が舞台袖に行ってから、レトラが「すぐ愛夏が泣くからね、泣くたびに『またピーピー泣いてる』『ピーちゃんだねー』って言ってる」
  • 「餞の鳥」をレトラと歌ったことについて、宇宙「私たちはもともと、バンドとアイドルという、居場所を一回なくしたもの同士というか」「今は夢を追いかけて、こうして出会えて、過去のことはありつつ一緒に前に進んでいる」「そういう背景を込めて歌ったんですよね」
  • 「SING MY SONG」について、レトラ「歌詞が私にぴったりすぎて、歌詞に入り込む感じで歌わせていただいて」「ざぶーんって感じて
  • 「眠り姫」について、宇宙「やっとリベンジさせていただきました」「この曲をやるって決めてからも、失敗したらどうしようって」「さっきのリハーサルでも、どうしようかなって思ったけど」「あのときの経験があったからこそ、私はちゃんと進めてるって思えるから」「もう歌うしかないかなって」
  • 「always」について、愛夏「何を歌おうかなって考えたとき、真っ先に出てきたのが『always』で」「プロデューサーさんに、2人に、言いたいことが全部詰まってる」「上京してひとりぼっちだなって思うことがすごく多かったんだけど、みんなと出会えたからこそ、『やっぴー!』『あなたの心、灯します』って言い続けられたと私は思ってるから」

投票終了直後、最後の曲の前の挨拶

  • 宇宙「せっかくの舞台ですから、心から楽しんでる私を見てほしいなって練習してるうちに、小さいころの評価とか何も気にしないで、ただ歌やダンスをすることが楽しいって気持ちがあったなって思い出せたといいますか」「歌うことや踊ること好きだな、って心から思ってパフォーマンスをしました」
  • レトラ「仲間なんだけど競い合うこともあってドキドキして」「私はバンドとしてステージに立ったことはあるんだけど、アイドル候補生として立つのは初めてだったので、ペンラの海とか『オイオイ』とかもすごい新鮮で」「悲しいなーとかムカつくときとか、全部歌がそばにいてくれて、ひとりじゃない感じがしたので、その居場所を共有できたらとてもうれしいです」
  • 愛夏「私たちにはそれぞれ夢があります」「アイドルになる、もちろんそうだけど、もっともっと夢は先に続いている」「この1年で、私はちょっとだけ欲張りになりました」「自分が嫌いだって、何者にもなれないって泣いてた私は、もういません」
  • 愛夏「終わりじゃないんだよね、これからだよね」レトラ「まだまだ途中ですから」宇宙「途中じゃないよ、始まりですから!」
    • レトラ「これが始まりかもしれないよね、始まりにしたいけどね」愛夏「次は3人で、アイドルとして皆さんにお会いできるように、頑張りたいね」
    • 宇宙「アイドル候補生として今日が最後の日じゃないですか、でもきっと今日が一番楽しかった日だろうなって思うんですよね」
  • 愛夏「もうすでに、これから何をしたいか考えちゃってるかもしれない」宇宙「何かもう、未来があるのがわかってる…っていうか」レトラ「この先も何かありそう」愛夏「それだけのものを私たちは出し切ったと思ってるから」
  • レトラ「うちらこのあと3人でさ、終わったやつ見ようよ」愛夏「何食べる?愛夏ラーメン食べる!」宇宙「私、食欲がないかも」レトラ「22~23時くらいになったら、うおーおなかすいたー、太るー、ズルズル(って食べてるかもしれない)」

スクショ

スクショはOKだったので撮ってました。

*1:vα-livが特徴的なのは、他のバーチャルライバーさんの番組でも同様である「その場その場で発生する出来事を見る、というのが基本となる」という前提がありつつ、アイマス(やその他のバンナムの作品)を活用できるという下地がある状態で進めているというところにあると思っていたのであった。

*2:アイマス以外を含めたバンナム作品の曲、って可能性もあるかなとは思ってました。

*3:2023年9月25日の配信で歌っていた際、途中から声が出なくなっていたとのことだった

*4:まず「always」という曲だが、これは第6回シンデレラガール総選挙(結果発表:2017年5月14日)で歌唱メンバーが決まったときの曲である。でこの曲、「私に出会ってくれてありがとう」「私を見つけてくれてありがとう」などといった歌詞があり、「アイドル数が多すぎるゆえ、選ばれるということの重さが強い」シンデレラガールズにおいて、どのアイドルの担当Pにも刺さりかねないという曲なのである。現にシンデレラガールズの過去のLIVEでも、6th名古屋Day2(2018年12月2日)や10周年LIVEファイナルDay2(2022年4月3日)で終盤に歌われてPを泣かせに来ていた曲だったのである。一方で今回のvα-livも、デビューが決まるかが視聴者の評価にかかっている、すなわちこちらも「選ばれるということの重さが強い」というのが似ているのである。灯里愛夏さんがトークパートでこの曲を選んだことについて話していたときは、そのような観点では述べられていなかったのだが、本当によい選曲をしたよ…というのを感じたのであった。
またシンデレラガール総選挙の曲を「ソロ歌唱して」「泣かせる歌い方をしてきた」という点として連想したのが、10周年LIVE千葉Day1(2021年11月27日)で大橋彩香さん(島村卯月役)がソロで歌った「キミのそばでずっと」であった。それと同じくらい感激させられたし、灯里愛夏さんはこういう歌い方ができることを本当強みとして持ってほしい、と思った歌唱であった。 ※シンデレラガールズのLIVEでは、総選挙の曲はその位置付け上なのか「ソロで歌う」ことがまずなく(2人という事例は割とある)、おそらく大橋彩香さんの例が過去では唯一のはず。

*5:1人4票まで投票できる。4票を3人にどう配分するかは自由

*6:もとは、2009年発売のニンテンドーDS用ゲーム「アイドルマスター ディアリースターズ」のプロダクション

*7:灯里愛夏の発言がおじさんらしいという理由で「まなおじ」という呼称が生まれていたが、それをさらにもじったもの