#デレステビンGO で所望のアイドルを1枚のカードに揃えられる確率

はじめに

デレステビンGO!」が帰ってきました。 2020年9月5日の特別配信番組「24magic」での実施に続くもので、今回は4月29日の14:59までビンゴシートを作ることができ、1日ずつアイドルが発表されていくという方式です。

デレステビンGO!」では、1人あたりキュートアイドルのみ(全65人)・クールアイドルのみ(全65人)・パッションアイドル(全60人)のビンゴシート3枚があり、いずれについてもビンゴシートは期限内であれば作り直すことができます。ただし作り直すのは完全ランダムと思われます。

そこで誰しも試したくなるのが、「少なくとも自分の担当アイドル●●人はビンゴシート内に揃えたい」というものでしょう。私も実際やりました。

でその際、事前に「どのくらいの確率で揃うのか」を計算したうえで挑みました。あまりに難しいものだとやってもつらいので。

ただ、この計算方法を詳しく書いていなかったため、今回詳しく書くことにしました。

補足:「条件を満たしたビンゴシートが出る確率」と「条件を満たしたビンゴシートが出るまでの作成回数」の関係

以後の説明では基本的に「条件を満たしたビンゴシートが出る確率」で説明していきますが、「条件を満たしたビンゴシートが出るまでの作成回数」が気になる方もいると思います。

結論から言うと、「条件を満たしたビンゴシートが出る確率」が「p分の1」であるとき、「条件を満たしたビンゴシートが出るまでの作成回数」(作り直しをしない初期状態を1回目と数える)は

  • 期待値(回数×確率 を足し合わせたもの)で見ると、p回
  • 作成するビンゴシート数がp回以内で収まる確率は、1 - (1 - 1/p)p+1
    • 特に、pが非常に大きい場合は、この確率はほとんど 1 - 1/e (63.2%) となる
  • 作成するビンゴシート数が2×p回以内で収まる確率は、1 - (1 - 1/p)2p+1
    • 特に、pが非常に大きい場合は、この確率はほとんど 1 - (1/e)2 (86.5%) となる

ただし「e」はネイピア数自然対数の底)でおよそ2.71828です。期待値が欲しいだけなら逆数を取ればよいのは非常にシンプルですね(例えば確率5%の場合、p=20なので、期待値で20回シートを作れば揃う)。

この証明については本題ではないので詳細は省きます。*1

「事前に●●人を決め、ビンゴシートにその全員が現れる」確率

ビンゴシートに現れる全アイドル数をnとします。キュートかクールならn=65、パッションならn=60です。

また、ビンゴシートに現れてほしいアイドルの人数をkとします。

このとき、ビンゴシートを1枚作成したときに現れるアイドルの並び(並び順まで考慮する)は全部で nP24 通りあります。この記号は高校数学などで扱う「順列」の表記であり、

nPr = [n×(n-1)×…×(n-r+1)]

と定義されます。例えばキュートやクールは 65P24 ≒ 2.5×1041 という凄まじい数になります。パッションでも 60P24 ≒ 2.2×1040 になります。

ではこのうち、ビンゴシートに現れてほしいk人が揃うようなビンゴシートは何通りあるでしょうか。これは 24Pk × n-kP24-k と計算すればよいです。前半の「24Pk」は、k人がビンゴシート中の24マスのどこに現れるかを先に固定し、その可能性が何通りあるかを数えています。後半の「n-kP24-k」では、ビンゴシート中の残った(24-k)マスを、k人以外の全員から選んでいく並び順を数えています。

よって確率を得るためには、後者の組み合わせ総数 24Pk × n-kP24-k を前者の組み合わせ総数 nP24 で割ればよく、

[24Pk × n-kP24-k] ÷ nP24
= { [24×23×…×(24-k+1)] × [(n-k)×(n-k-1)×…×(n-23)] } ÷ [n×(n-1)×…×(n-23)]
= [24×23×…×(24-k+1)] ÷ [n×(n-1)×…×(n-k+1)]

が確率となります。

k (目的
の人数)
1/p
(揃う確率)
p (揃うまでの
回数の期待値)
1/p
(揃う確率)
p (揃うまでの
回数の期待値)
キュート
クール
(n=65)
パッション
(n=60)
1 36.9231% 2.7 40.0000% 2.5
2 13.2692% 7.5 15.5932% 6.4
3 4.6337% 21.6 5.9147% 16.9
4 1.5695% 63.7 2.1791% 45.9
5 0.5146% 194.3 0.7782% 128.5
6 0.1630% 613.7 0.2688% 372.0
7 0.0497% 2011.5 0.0896% 1115.9
8 0.0146% 6862.8 0.0287% 3478.9
9 0.0041% 24448.7 0.0088% 11306.4
10 0.0011% 91275.1 0.0026% 38441.7

おわりに

一列に並ぶ確率とかも計算したかったのですが時間が確保できず、ここまでにしておきます。

*1:期待値の計算と、「作成するビンゴシート数が~回以内で収まる確率」の理由については、例えば事象が起こるまで試行を繰り返した場合の試行回数の期待値 - 何かを書き留める何かをご覧ください。また、「pが非常に大きい場合は」については、ネイピア数自然対数の底)を極限で定義する方法と照らし合わせると計算できます(下記の式)。例えばWikipediaネイピア数#性質をご覧ください。